第8回 生きた化石たちはこうして守られている

2008/12/21

■ガラパゴス‥‥エクアドルに属し、南米大陸から約1000km、約300の島々があります。その大部分が国立公園で、かつ世界自然遺産指定第1号。チャールス・ダーウィンが1835年に来島して、ここでの研究を基に「種の起源」を発表し、「進化論」の聖地として有名になりました。前述のフンボルト海流の為、赤道直下の強い日差しながら、年平均気温24℃、多種類の生物が棲み、その殆どがこの島の固有種で、厳重に保護されています。先ず入島税100USドルが徴収され、18人以下に一人の自然保護官兼ガイドがつき、事前にゴミ袋を持たされ(自分のゴミは勿論、落ちているゴミを見つけたら持ち帰る)島内では所定の杭の範囲を出てはならず、係官より先に歩いてもいけない。当然、動植物には触ってはいけない。カメラのフラッシュも不可、禁煙。等々の制約がある反面、そのようにして守られてきた動物たちは全くの怖いもの知らずでどんなに近寄っても逃げず、本当に自然のままの姿を見せてくれるのです。四つの島に上陸して観察しましたが、日陰など一切無く、トイレもありません。空港のある島は、動物を全部他島へ移動して造成したそうです。2泊3日で、約20種の、写真でしか見たことの無い固有動物が観測できて満足でした。

■イースター島‥‥絶海の孤島とはここの事。国はチリに属しますが首都サンチャゴから3800km、タヒチまで4000km。秘境といわれていたこの島に、こうして我々ごとき観光客が団体で繰り込めるようになったのは、人工衛星、NASAのお陰とは知りませんでした。スペースシャトルの太平洋上での緊急着陸施設としてアメリカの要請で造った3300メートルの滑走路を使って大型機が着陸でき、週2便サンチャゴから300人乗りのジェット機が飛んでくるのです。不思議なめぐり合わせで、その人工衛星の飛行を肉眼で見れたのです。澄んだ空気、真っ暗な夜空に南十字星を見つけ、背後に流れる銀河の美しさに見とれていたら、丁度南十字星の上あたりを右から左へゆっくり流れてゆく小さな光があるではありませんか!流れ星とは違うあの動きは人工衛星に間違いありません。何だか随分得した気分になりました。

■モアイ‥‥イースター島といえばモアイです。小は1mから大は20mもある石造の人物像で、重さは40〜80トン。10世紀から17世紀の間に造られたと言われ、何の目的でこのような巨大な彫像を、道具に金属を使わずに岩山から掘り出し、どのような方法で、高低差最大80m、距離最大20kmも運び、どのようにして立てたのか。全くの謎で、又、製作途中、運搬途中で忽然と人が居なくなったように放置されたものも無数にあり、島内での内乱によるとされていますが、土中に埋もれているのも含めると1000体はあると言われ、伊豆の大島より一回り大きい程度のこの島に、多大な謎がぎっしり詰まっているのです。経緯はともかく、現在のモアイは、立っているものは勿論、製作途中のもの、倒れてうつ伏せのものも、すべて強い存在感のある石の造形です。秋めいた草原で、強い日差しを避けてユーカリの林でのバーベキューの昼食。そよ風も心地よく、チリ産の美味い冷えたワインもあり、又、大ファンの前田美波里そっくりさんのサービスで、至福のひとときでした。

翌朝、ホテルの目の前の海に、カイヤオ(ペルー)から直行した飛鳥が現れて投錨したのには、「我が家が迎えに来た!」と嬉しく、感激しました。一日が25時間の日が19回重なり、日本との時差19時間。明後日タヒチに着く予定です。

ではまた。