6年前、男女共学となった桐蔭学園中等教育学校。「ミスモアネックス夏号」では、初めての卒業生となった森泉媛乃(ひめの)さん、橋本舟翔(しゅうと)さん、井上礼(あや)さんに学園での学びについて伺った。その拡大版(全3回)の最終回となる今回は、大学受験や将来について、また桐蔭学園中等教育学校の魅力についてのインタビューを公開(以下、敬称略)。
人生を切り拓く能力を多様な選択肢から育む③
6年間スキー部に所属して、成長を実感した森泉媛乃さん(右)、模擬国連部や生徒会で仲間と協力することの大切さを学んだ橋本舟翔さん(中)、幼い頃から抱いていた獣医の夢に向かって大学へ進学した井上礼さん(左)。
大学受験と、大学入学以降で取り組みたいことについてお聞かせください。
井上 学校推薦型選抜(公募制)を受けました。自分で志望理由書を書き、先生に推薦状を書いてもらって大学で試験を受けました。私は幼い頃から動物が好きで、小学生の時点で獣医になる夢を抱いていました。麻布大学獣医学部の現役合格は狭き門なのですが、学校推薦型選抜であれば私でも挑戦できそうだと思い、目標を定めました。試験では基礎的な知識が必要とされたので、学校の勉強に重点を置いて試験に臨みました。
森泉 私は4年生の時にアメリカに短期留学した経験から国際交流に興味を持ち、国際基督教大学教養学部を指定校推薦で受験しました。6年間続けたスキー部の経験も評価されたと思います。最初の3年間はなかなか成果が出なかったけれど、粘り強く続けていたことで4、5年生では全国大会に出場できたことなどを面接や資料でアピールしました。大学では留学での経験をもとに、さらに世界へ目を向けた学びに取り組みたいと考えています。
橋本 立教大学の経済学部を一般入試で受験し、無事合格を勝ち取りました。秋に受験した総合型選抜では不合格だったのですが、そこからしっかり切り替えることができました。部活動や生徒会での経験をもとに立教大学の中原教授に学び、またその先の社会でも経営者となり仲間と楽しく仕事がしたいと思っています。
最後に、6年間通って、桐蔭学園中等教育学校の魅力は何だと感じていますか。
森泉 桐蔭学園は生徒が興味を伸ばしたいと思ったときには、さまざまな機会を提供してくれる学校です。今E棟の1階にラーニングコモンズという施設がありますが、これは私が学校に提案して実現したものです。大学に設置されているような、誰でも使える話し合いのスペースです。放課後の教室は部活動で使用していることも多く、図書館ではあまり会話ができません。そこで「友達と話し合いながら勉強できる場所」を作りたいと思い、生徒会を通して先生の協力を得て完成することができました。
井上 12年間、桐蔭学園で過ごしましたが、いつも先生が温かく見守ってくださったと感じています。受験に関しては論文や面接の相談に乗ってもらい、応援してもらいました。各教科の先生がたが日々の生活を見ていてくれて、自分から「こうしたい」と話すと後押ししてくださいました。たくさんの機会を与えてくれた桐蔭ライフでしたが、社会に出たら自分からチャンスを見つけられる人間になりたいですね。人見知りだった私も、中等教育学校で友達を増やすことができました。これからは自信を持って社会へ出ていきたいです。
橋本 私もさまざまなチャンスを与えてもらいました。共学化した桐蔭学園中等教育学校のために新しく生徒会を立ち上げることになったときに、先生から「立候補してみたら」と背中を押していただきました。人前で話すことに興味のあった私に、ビジネスコンテストについて教えてくれたのも先生でした。提案し、その後は自主性に任せてくれるので、自分の経験として自信につながりました。桐蔭学園に入学してさまざまな経験をさせてもらったからこそ、将来は経営者の道に進みたいと思えました。とても感謝しています。
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取材協力:桐蔭学園中等教育学校
横浜市青葉区鉄町1614
TEL 045-971-1411(代表)
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