第5回 ロウバイ

2024/01/09

 細い枝の先に蝋細工のように艶やかな黄色い花を咲かせるロウバイ。中国原産の落葉低木で、新春に花を咲かせる。中国では梅、水仙、椿とともに「雪中の四花」として尊ばれており、江戸時代初期に日本へ到来。花の少ない時期に咲くため生花や茶花、庭木として親しまれてきた。
 町田市の薬師池公園では12月から2月にかけて、椿園と梅林エリアでその姿を見ることができる。この園では中心部が赤褐色のロウバイと、全体が黄色いソシンロウバイの2種類が楽しめる。春から秋に数多くの花々が咲き乱れる薬師池公園だが、この時期に咲く花は多くない。それだけに澄み渡った冬の空に映えるロウバイは、心和ませる存在だ。
 漢名を「蝋梅」と書き、その姿形から梅の仲間と想像しがちだが、ロウバイ科に属し、バラ科の梅とは別の品種である。ウインタースイートという英名を持ち、清楚で甘い香りが魅力だ。
 花言葉は「慈愛」、「先導」。寒い冬、健気に咲く姿は見る者を優しく励ましてくれる。

町田薬師池公園 四季彩の杜 薬師池

TEL042-724-4399(町田市役所公園緑地課) 東京都町田市野津田町3270

開園時間/6時〜18時 定休日/無休 駐車場あり 小田急線町田駅からバスで30分