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ふるさとの銘菓

    ふるさとの銘菓

    全国の郷土のお菓子を紹介。実際に食べての味わいや食感、歴史や開発秘話も。
    ※2019年10月の消費税法改正法等により、料金が変更になっている場合ございますので、店舗に確認の上、ご利用ください。

    第90回 笹子餅(山梨県大月市)

    2024/08/31
    笹子餅本舗 みどりや 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL0554-25-2121
    山梨県大月市笹子町黒野田1332 
    笹子餅 5個入り 500円(経木包)、
    10個入り 1,000円(紙箱)

      江戸の五街道のひとつで、東京から山梨をつなぐ甲州街道。なかでも笹子峠は東海道の箱根と並んで天下の険といわれる難所であり、旅人たちは矢立の杉の木陰で汗を拭き、茶屋の力餅で一息ついた。
     明治36年、中央線の開通により当時日本一の長さの笹子トンネルが開通すると、峠の力餅は「笹子餅」と名称を変え、駅構内で立ち売りを始めた。大正2年には当時の鉄道大臣・元田繁より「名物に 甘いものあり 笹子餅 国東」との句を賜り、中央線唯一の名物として百年以上愛されてきた。
     製法は昔から変わらず、笹子峠の伏流水にひと晩浸けた餅米を蒸して杵でつき、保存料・添加物はなし。創業時の思い出を大切にしたいと、販売は笹子駅前の本店と工場、JR中央線の笹子駅・大月駅構内およびJR管内のイベント出店のみとなっている(現在、中央自動車道SA・PAでは販売なし)。
     杉良太郎の歌で有名な『矢立の杉』が描かれた趣あるパッケージを眺めながら、多くの旅人が愛した変わらぬ味を噛みしめたい。