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ふるさとの銘菓

    ふるさとの銘菓

    全国の郷土のお菓子を紹介。実際に食べての味わいや食感、歴史や開発秘話も。

    第54回 栗饅頭(福岡県北九州市)

    2018/09/22
    湖月堂 本店 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL0120-47-0961
    福岡県北九州市小倉北区魚町1-3-11
    営業時間/9時~20時 
    定休日/無休
    栗饅頭 10個入り 1,188円

     艶やかな焼き色は本物の栗のよう。ふっくらとした小判型も上品だ。明治28(1895)年創業の湖月堂の代表銘菓。日清・日露戦争の頃、縁起がいい勝栗を饅頭の中に入れたのが始まりで、当時は大変な評判になったとか。以来、形、色、食感を大切に、独自の製法を守り続けている。
     現在は蜜漬けしたむき栗を使用。手亡豆と白小豆の白餡に刻んだ栗を練りこみ、小麦粉の生地で包む。表面の艶は、卵黄を塗って焼くから。割ってみると、中はしっとりした餡がたっぷり。口の中で皮と餡が溶け合い、なめらかさと栗の食感が絶妙だ。皮の香ばしさも餡の風味を引き立てる。優しい甘さなので、後味が重くなく、さらりと食べられる。日本茶はもちろん、コーヒー、紅茶とも好相性。
     湖月堂の屋号は、文豪・森鷗外の作品にも登場する軍人によって命名されたとか。その鴎外が食し、地元出身の作家・松本清張も大好物だったといわれる栗饅頭。北九州の地で育まれた伝統の味わいは、今も多くの人を魅了し続けている。