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ふるさとの銘菓

    ふるさとの銘菓

    全国の郷土のお菓子を紹介。実際に食べての味わいや食感、歴史や開発秘話も。

    第55回 祇園豆平糖(ぎおんまめひらとう)(京都府京都市)

    2018/10/27
    するがや祇園下里 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL 075-561-1960
    京都市東山区祇園末吉町80 
    営業時間/10時~18時(日・祝日は12時~) 
    定休日/不定休
    祇園豆平糖 箱入り130g 1,080円

      創業は文政元年(1818)。秘伝の蜜を使った飴菓子が、舞妓さんや役者などの玄人筋にも愛されている老舗だ。祇園豆平糖もその一つ。炒った国産大豆を蜜と絡めた棒状の飴。明治時代、八坂神社で売られていた豆入りの黒い飴「かんかん糖」をヒントに製法や材料に工夫を重ねたという。
     長さは12cmほど。艶やかな琥珀色に大豆が透ける姿が美しい。手作りなので豆の入り方が違うのも一興だ。舐めるとほんのり苦みのある上品な甘みが広がり、噛むと大豆の香ばしさと飴が一体となって妙味を醸し出す。すっきりした後味もいい。
     材料は砂糖と大豆のみ。銅鍋に砂糖を入れ炭火で煮詰める。焦げる寸前に火からおろし、焙烙で丹念に炒った大豆と混ぜあわせ、ごま油を塗ったゴザの上で引き伸ばす。難しいのは熱の加え方という。風味のいい状態になるように、熟練の職人が色やねばり具合を見極めながら、ヘラ一本で仕上げるのだ。脈々と受け継がれる確かな技と昔ながらの素朴な味。和菓子屋の心意気が感じられる飴である。