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ふるさとの銘菓

    ふるさとの銘菓

    全国の郷土のお菓子を紹介。実際に食べての味わいや食感、歴史や開発秘話も。
    ※2019年10月の消費税法改正法等により、料金が変更になっている場合ございますので、店舗に確認の上、ご利用ください。

    第63回 小男鹿(徳島県徳島市)

    2019/09/21

     

    冨士屋 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL088-623-1118
    徳島県徳島市南二軒屋町1-1-18 
    営業時間/8時30分~19時 
    定休日/無休
    小男鹿 一棹 2,060円

     小男鹿は雄の鹿のことで、万葉集では鹿の姿に男性の恋心を重ねてさまざまな歌が詠まれてきた。そんな雅な名をもつ銘菓は140年以上の歴史を誇る蒸し菓子。切り口に現れる小豆が鹿子斑を思わせ愛らしい。
     創業は明治3(1870)年。初代は江戸の武士で茶人でもあった。明治維新後に徳島に移り菓子屋を開業。小男鹿は二代目の創案だ。阿波特産の和三盆糖に粘りのある山芋、小豆、米粉などを練りあげ、セイロで蒸す。しっとり、もちもちの食感にふっくらした小豆が溶け合う。口の中にほのかな甘みが広がり、後味がいい。茶席は勿論、紅茶、コーヒーとも相性がよく、著名人のファンも多い。
     こだわりは包装紙や掛け紙にも。使うのは手漉き和紙。包装紙は濃い緑に白を重ね、紅葉と文字を散らす。渦や渓流をイメージした掛け紙は本物の紅葉の押し葉を漉き込んだ。どちらも風格が漂う。
     四国の深い山に入ると今でも鹿の鳴き声がするとか。色づく山に佇む鹿の姿を思いながら秋の風情を感じたい。