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ふるさとの銘菓

    ふるさとの銘菓

    全国の郷土のお菓子を紹介。実際に食べての味わいや食感、歴史や開発秘話も。

    第43回 絹多ぐるみ(山梨県甲府市)

    2017/03/28

     山梨県では、桃、梨、柿などを「甲斐の八珍菓」と呼び、親しんできた。絹多ぐるみは、そのうちの胡桃と干し葡萄を黒糖風味のこし餡に入れ、餡と卵黄を合わせて練り上げた生地、「桃山」で手包みして焼いた棒状の半生菓子である。

     発売以来、レシピや材料は極力変えず、1本食べて満足できる半生菓子のおいしさを大切にしてきた。特に気を遣うのは、餡の硬さ。お茶とともに味わってほどよい口どけが目安というが、季節により湿度などが異なるので、調節が難しい。餡の水分が飛びすぎないよう、焼き加減に細心の注意を払う。焼成後も乾燥を防ぐため1本ずつセロファンで包み、さらに和紙でくるんである。

     甘さはしっかりあるが、くどくない。絹のごとくしなやかに口中でほどけてゆく心地よさ。こし餡と桃山がおりなすしっとりした食感に、細かく刻んで炒った胡桃と干し葡萄のアクセント、黒糖のコクが加わり、奥行き深い味を奏でる。主に贈答や手土産、法事などに用いられ、お茶席での用命も多いとか。

     

    松林軒豊嶋家 本店 
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    絹多ぐるみ1本140円 10本入り(箱)1,600円