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ふるさとの銘菓

    ふるさとの銘菓

    全国の郷土のお菓子を紹介。実際に食べての味わいや食感、歴史や開発秘話も。

    第59回 山川(島根県松江市)

    2019/03/23
    風流堂 寺町本店 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL0852-21-3241
    島根県松江市寺町151 
    営業時間/9時~18時 
    定休日/無休(元旦を除く)
    山川 1枚入り 886円

     松江藩七代藩主・松平不昧公のもとで茶の湯文化が発展した松江には、数々の銘菓が生まれた。その代表格が「山川」だ。新潟の「越乃雪」、石川の「長生殿」とともに日本三大銘菓に数えられている。名前の由来は茶人でもある不昧公の歌「散るは浮き散らぬは沈む紅葉の   影は高尾の山川の水」から。紅白一対の落雁で、紅は紅葉の山を、白は川のせせらぎを表す。明治維新後に一旦姿を消すが、明治23(1890)年創業の風流堂の二代目が大正時代に復刻した。
     落雁といっても硬さや粉っぽさはない。寒梅粉と砂糖、塩を混ぜ、木型に詰めて打ち出す。硬すぎず崩れない程度の柔らかさで押し固めるのは、職人技。口に含むと、寒梅粉独特のもっちりした歯ごたえとともにさらりと溶けていく。しっとりした口当たりと後を引かない甘みが、抹茶の風味を引き立てる。裏に切り目が入っているので好みの大きさに手で割って食す。凹凸のある切り口を自然の風景に見立てるのも一興だ。ひと口ほおばれば雅趣に富む世界が広がる。