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ふるさとの銘菓

    ふるさとの銘菓

    全国の郷土のお菓子を紹介。実際に食べての味わいや食感、歴史や開発秘話も。
    ※2019年10月の消費税法改正法等により、料金が変更になっている場合ございますので、店舗に確認の上、ご利用ください。

    第69回 長生殿(石川県金沢市)

    2020/03/28
    森八 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL076-262-6251
    石川県金沢市大手町10-15
    営業時間/9時~18時
    定休日/無休(1/1・2を除く) 
    長生殿4枚入 1,080円〜
    https://www.morihachi.co.jp

     茶道が盛んな金沢は日本有数の和菓子処。中でも創業390余年を誇る森八の「長生殿」は落雁の最高級品とされ、日本三大銘菓に数えられている。加賀藩三代藩主・前田利常の創意を受けて森八の三代目が墨の形をした落雁を創製、茶人の小堀遠州が命名した。長生殿とは唐の玄宗皇帝と楊貴妃が七夕の夜に愛を誓いあった宮殿で、詩人・白居易の長恨歌が由来という。
     貴重な阿波和三盆糖と北陸産のもち米粉を使い、赤は紅花で染め上げた。材料を混ぜ合わせたら遠州の篆書体が彫られた木型に詰め、木ベラで均等に打ち込む。完成した落雁には長生殿の文字が浮かび上がり、風格が漂う。繊細な造形を崩すことなく打ち出せるのも熟練の技があってこそ。古来不変の製法という。一口目は歯応えがあるが、口どけはスーッと溶けるよう。和三盆の上品な甘みが広がり、抹茶との相性は抜群だ。蒔絵風の外箱も格調高い。悠久の時が刻まれた1枚に、加賀百万石の歴史と豊かな菓子文化が感じられる。