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おさんぽ通信

    第35回 新百合ヶ丘駅周辺を歩こう!

    2007/10/01
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    1. 新百合ヶ丘駅
    2. 川崎市アートセンター
    3. 万福寺檜山公園
    4. こやのさ緑道
    5. 新ゆりアートパークス

    6. 昭和音楽大学
    7. 山口白山公園
    8. サルスベリ並木
    9. MiSMO編集部

    おさんぽ記

    小田急線新百合ヶ丘駅(1)を出て、駅北口交差点に立つと「昭和音楽大学北校舎」と「日本映画学校」の建物が目に飛び込んできます。新百合ヶ丘駅周辺は映 画や演劇、音楽などの芸術文化活動が盛んな地域。毎年開催されるイベント「KAWASAKIしんゆり映画祭」「麻生音楽祭」もすっかり定着しています。

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    駅入口交差点へ進んで渡った先は、万福寺地区に土地区画整備事業によって誕生したばかりの街「新百合山手」。紅葉が美しいアメリカフウの並木とガス燈が街路に続き、洗練された景観が形成されています。

    ガス燈にはためいているのは「新百合山手 しんゆり・芸術のまち」と記されたフラッグ。芸術文化活動の新たな拠点となる川崎市アートセンター(2)が2007年10月31日に新百合山手にオープンし、新百合ヶ丘駅周辺の魅力がますます広がりました。

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    川崎市アートセンター2階のチケットカウンターでは、施設内の公演チケットが購入できます。散歩途中にふらりと寄って芸術鑑賞のお楽しみを手に入れておく のもよいでしょう。公演によっては講座やワークショップなどがコラボレーションスペースで開かれ、アートにもう一歩踏み込むことも可能。地域に密着した施 設なので親しみやすく、気軽に利用できそうです。

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    新百合山手に建つ新築マンションや一戸建てを眺めながら行くと、新しい街をビデオ撮影している制作会社の人や工事関係者の姿。街並みはほぼ完成しているも のの、落ち着くにはもう少し時間が必要なようです。津久井道沿いで大規模マンションが建築されている現場の前を通って小田急線の線路の反対側へ跨線橋で渡 り、胸をほっと撫で下ろします。

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    「これから紅葉が進むと、散歩がもっと楽しくなりますね」とおしゃべりを一緒に楽しんだのは、万福寺檜山公園(3)の階段に腰掛けてひと休みしていた熟年 夫婦。公園は丘陵地の起伏をそのまま残し、変化に富んだ景色を見せてくれています。「気持ちがよくて、ずっと座って眺めていたの」「あの真っ赤な実がつい ているのはさんご樹っていうんですよ」「歩くといろいろなものが見えてきますよね。こんなきれいな花が咲いていたとか、こんな小道があったとか」。

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    キュッキュキュッキュと鳴く虫の声を耳に公園から伸びる緑道を行きます。と、突きあたったのはマプレ専門店街。ここに通じていたんだと新鮮な気持ちが沸き 起こります。駅を背にして進んだ右側に緑道の続き。こやのさ緑道(4)と書かれた碑が立てられ、「昔この周辺の山には共有林などを管理する小屋があったの で、この地はこやのさと呼ばれるようになった」とありました。


    長い緑道を抜けた先に上麻生調整池、通りの向こうに横断すれば新百合ヶ丘南調整池。深く掘られた調整池をフェンス越しにのぞきこんでから、その上へ視線を移すと芝生の広場。「芝生養成中」と貼り紙されたロープのなかに新ゆりアートパークス(5)の看板を見つけます。


    タイル敷きの遊歩道を進んで行くと昭和音楽大学(6)。敷地内の劇場「テアトロ ジーリオ ショウワ」やコンサートホール「ユリホール」では、学生による 定期演奏会はもちろん、国内外の著名な音楽家を招いてオペラ公演やピアノリサイタルなどが開催されています。最新設備が整えられた会場で地域の人々も気軽 に鑑賞できるので大人気。遊歩道そばのイタリアンレストランとカフェも連日にぎわっています。

    先ほどの新百合ヶ丘南調整池まで引き返して、山口白山公園(7)へ。この公園のいっかくには大正初期に月読神社に合社された白山神社があったとの こと。その名残りの緑が自然のままの地形にあふれ、ゆっくり散策したいところですが、ちょっとたいへんそうだったので今回はあきらめて、足は麻生スポーツ センターの方へと向かいます。

    麻生スポーツセンターの入口へ曲がって、驚いたのは歩道の両側に続くサルスベリ並木(8)。葉が色づいてきれいだなぁと写真を撮っていると、学校帰りの小学生の男の子が「サルスベリを撮っているの?」。サルスベリの名前を知っているとは感心です。

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    さて、新百合ヶ丘駅周辺を歩いたからにはお邪魔したい場所があります。それは、駅南口に建つビルの一室にあるMiSMO編集部(9)。オフィスの窓からは 新百合ヶ丘の顔ともいえる南口デッキがばばんと見渡せます。さすが新百合ヶ丘周辺の情報を集約し、発信している場。「しんゆり・芸術のまち」とともに、大 きく大きくはばたいてほしい! と思ったのでした。

    おさんぽクローズアップ!!

    「川崎市アートセンター」

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    演劇やダンスを鑑賞できる「アルテリオ小劇場」、国内外の新旧映画を楽しめる「アルテリオ映像館」のほか、制作活動に欠かせない「映像編集 室」「録音室」「工房」、子どもから大人まで参加できるワークショップや講座などが行われる「コラボレーションスペース」を設備。“芸術を楽しむ、創る、 育てる”機能を持ち合わせた施設になっています。

    07年11月15日(木)~12月16日(日)、アルテリオ映像館ではオープニング特別企画・KAWASAKIしんゆり映画祭プレゼンツとし て、一挙33作品を上映。12月1日(土)~24日(月)にはアルテリオ小劇場でのオープニングイベント第2弾も用意されています。詳細は下記HPを参 照、またはお問い合わせください。

    写真はコラボレーションスペース。

    ■ 044-955-0107(9時~22時30分 年末年始および臨時休館日を除く)

    ■ 川崎市麻生区万福寺180番地1(07年12月に住所表示が変更になります)

    ■ http://kawasaki-ac.jp/index.html

    「リストランテ イルカンピエッロ」「カフェ カンピエッロ」

    昭和音楽大学で催される公演の前後には「テアトロ ジーリオ ショウワ」の正面にある1階「リストランテ イルカンピエッロ」、2階「カフェ カンピエッロ」で食事や飲み物を楽しむのがおすすめ。

    「リストランテ イルカンピエッロ」では本格イタリアンをコースやアラカルトで落ち着いて味わえます。公演がある日のディナータイムは早めに予 約したほうがよいでしょう。また、ランチタイムでは前菜、パスタ、デザート、コーヒーの「Menu Pasta」1800円がお得です。

    「カフェ カンピエッロ」は自家製生パスタやパニーニ、ドリンクを揃え、17時~はアルコールとアンティパストのBARメニューが用意されています。

    写真は自家製生パスタのアマトリチャーナ680円(ドリンク付800円)。イルカンピエッロのパスタ料理をリーズナブルにいただけるので、おさんぽ途中にもぜひ寄りたいところです。

    ■ 044-955-0948(1階 / 2階ともに)

    ■ 川崎市麻生区上麻生1-11-1 昭和音楽大学内カフェテリア棟

    ■ 1階 11時~L.O.14時、17時~L.O.21時 / 2階 10時~20時

    ■ 無休(1階 / 2階ともに)

    「昭和音楽大学 チケットの取り扱い」

    昭和音楽大学演奏室にて電話受付
    ■ 044-953-9865

    ■ 10時~18時 ※土日祝を除く

    ■ http://www.tosei-showa-music.ac.jp

    昭和音楽大学北校舎にて窓口販売

    ■ 10時~17時 ※土日祝を除く

    ほか、電子チケットぴあ、マイタウン21チケットセンター窓口販売にて

       ※ 平成19年(2007)10月にお散歩しました。料金などの各情報は変更になる場合があります。

    取材・文/森田奈央 

    森田奈央

    日ごろ見過ごしがちなものを散歩しながら発見することに胸おどらせるおさんぽライター。散歩途中で猫と出会うことも大きな喜びとし、著書に「ネコ路地へ行こう」(小学館文庫)がある。