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おさんぽ通信

    第45回 黒川駅~黒川東営農団地を歩こう!

    2008/08/31
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    1. 黒川駅北口
    2. 南黒川第一公園
    3. 野菜生産者直売所
    4. 黒川東観光農園

    5. 黒川東農村広場
    6. 川崎広域レーダ雨量情報システムの     レーダ基地局
    7. 宮添みのり公園
    8. 西光寺

    おさんぽ記

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    ホームの屋根に太陽光発電パネルが設置されている黒川駅(1)。2006年のリニューアル工事によってデザイン性のある駅構内が完成。改札を出て天井を見上げると、白い鉄柱が弧を描くドーム状の屋根に覆われ、明るく洗練された雰囲気を漂わせています。

    ケヤキの木を中心とした駅前広場を通り抜けて見つけたのは、「黒川東観光農園 300m→」と書かれた案内板。柿、梨、栗のもぎ取りが楽しめる時期、さつまいも、落花生の掘り取りができる時期が案内されています。観光農園があるとは、これは行ってみなければ!

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    駅前広場の隣には南黒川第一公園(2)。夏の暑さが残るなか、3匹のセミが木の幹にくっついています。最後の力を振り絞って鳴いているかのようなミーンミーン声がちょっぴりせつない。見上げる空も日増しに高くなっているように感じます。

    マイコンシティ南黒川地区の建物のあいだを行き、黒川第一調節池の前を通過。三沢川の手前にJAセレサ川崎の野菜生産者直売所(3)を見つけます。毎度のごとく、どんなものが売られているのかチェーック! ナス、ピーマン、タマネギ、モロヘイヤ、青ジソ、そして黒川梨が並んでいます。

    「この黒川梨はみずみずしくて、甘いよ。黒川駅南口の『セレサモス』にも出荷しているんだ」。農作業着姿の男性とおしゃべりがてら観光農園の場所を確認。「すぐそこの角を右に曲がって、坂を上っていくと黒川東営農団地。その中に観光農園はあるよ。最近は柿、梨、栗のもぎ取りはしていないけど、さつまいも、落花生の掘り取りはできるよ」。

    角を曲がった右手には大きな禅寺丸柿の木。枝に青い小ぶりの実がたくさんなっています。そして、左手には栗の木。こちらも青いイガイガがいっぱいで、もうすぐはじけそう。実りの秋は着々とやってきているんだなあと実感します。

    汗をふきふき坂を上り、農道つきあたりを左に曲がると、緑に染まった畑。この作物は何だろう? と見ていたら、ウォーキング中の男性が「この黒川東観光農園(4)では掘り取りができるんだよ。ほら、そこの建物に『掘り取りのご案内』のポスターが貼ってあるだろ。毎年、観光バスで幼稚園や保育園の団体もやってきて、にぎやかなんだ」。

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    ふと気がつくと、さつまいもと落花生の後方には、京王相模原線若葉台駅周辺のマンション群。緑豊かな農園とコンクリート造りの都市がいっぺんに目に映る風景は、どこか非日常的。軽快な走行音をたてて走っていく京王線の電車、丘の坂道を行き来する自動車。ここに海や川まで登場したら、まるで社会の教科書によく載っている鳥瞰図「わたしたちの町のようす」を見るようです。


    非日常的な風景を眺めながら進んでいくうち、雑木林の向こうから建設現場の音。いっぺんに日常に引き戻されます。黒川東農村広場(5)の先の小道に進んでみると、下方へ何段も続く階段。階段下には小学校の校庭が広がり、子どもたちがボール遊び。それから、小田急線の電車が走っていくのが見えます。

    歩いていてずっと気になっていたものが、突然、目の前に現れました。高さ52.35メートルの塔のてっぺんに球体をつけた川崎広域レーダ雨量情報システムのレーダ基地局(6)です。球体の中でレーダが常時回転し、半径100キロメートルの範囲の雨量データを収集しているとのこと。集中豪雨がたびたび起こっている昨今、なんとも頼もしいではありませんか。

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    とんぼがふわりふわりと飛ぶ農道を歩き、トラックが騒音をたてながら走り過ぎる鶴川街道へ。ファミリーレストランの角を右折、坂を上りきったあたりで左折すると、周囲は新興住宅地に変わり、宮添みのり公園(7)を発見。景色を眺めていて、おっ!? と思ったのは正面の丘に営農団地が広がっていること。さっき歩いていた場所を別のところから眺めるのはおもしろいものです。


    細い道を下って、再び鶴川街道。小田急線の高架線のそばの西光寺(8)を訪ねます。室町中期(1400年頃)開創の曹洞宗のお寺で、昭和4年(1929)に本堂をいまの場所に建立。現在、開山堂、客殿、庫裡の新築工事が進められ、来年2009年5月28日に竣工の予定。黒川の地にまた新しい風景が生み出され、「わたしたちの町のようす」に彩りが加えられます。

    おさんぽクローズアップ!!

    「黒川東営農団地(くろかわあずまえいのうだんち)」

    18ヘクタール(東京ドーム4個分)の広大な農園。収穫された野菜や果物は大型農産物直販所「セレサモス」などで販売されています。

    農道を歩きながら、さまざまな作物をあれは何だろう? と眺めるのが楽しく、あずまやや木陰が用意された黒川東農村広場は休憩するのにぴったりです。

    秋には営農団地内の「黒川東観光農園」でさつまいもと落花生の掘り取りができ、道具を使うこともないので気軽に挑戦できます。自然のなかで大地をおもいきり踏みしめて過ごすのは、貴重なひとときとなるでしょう。

    個人の場合は期間中の時間内なら、予約なしでOK。団体の場合は20〜30人で要問い合わせ。

    さつまいも、落花生の掘り取り(黒川東芋掘り会)

    ■ 問い合わせ 電 044-989-0101(JAセレサ川崎栗平支店)

    ■ 期間 9月6日〜10月下旬(9月は土・日曜・祝日のみ、10月は毎日)

    ■ 時間 10〜16時

    ■ 料金 さつまいも 1株150円(但し5株単位)、落花生1株100円(但し5株単位)

        ※期間、時間、料金は2008年のものです。

      ※ 平成20年(2008)9月にお散歩しました。料金などの各情報は変更になる場合があります。

    取材・文/森田奈央 

    森田奈央

    日ごろ見過ごしがちなものを散歩しながら発見することに胸おどらせるおさんぽライター。散歩途中で猫と出会うことも大きな喜びとし、著書に「ネコ路地へ行こう」(小学館文庫)がある。