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ふるさとの銘菓

    ふるさとの銘菓

    全国の郷土のお菓子を紹介。実際に食べての味わいや食感、歴史や開発秘話も。
    ※2019年10月の消費税法改正法等により、料金が変更になっている場合ございますので、店舗に確認の上、ご利用ください。

    第96回 土左日記(高知県高知市)

    2025/09/02
    青柳 はりまや橋本店 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL088-861-6066
    高知県高知市はりまや町1-4-1 
    営業時間/10時〜18時

     京都の和菓子店で修業した初代が、高知市で1936年に創業した青柳。地元の和菓子店として営業を続けていたが、高知を代表する土産菓子がなかったことから、54年に「土左日記」を考案。仮名文字日記の先駆者として知られる紀貫之の任地にちなんで命名された。
     包装箱は日記をイメージした本のような仕立てで、表紙を広げると『土佐日記』の序文が書かれた趣ある装丁だ。
     上質なこしあんを求肥でくるみ、外側にそぼろをまぶした一口サイズの「土左日記」は創業以来変わらぬ製法で作られている。なかでもそぼろは手間暇をかけた独自製法が特徴。白あんと水飴を混ぜ合わせて粉砕したもなかを加え、細かな粒になったところで2時間ほど乾燥させ、さらにふるいにかけて粒をより分けて完成させる。
     春はイチゴミルク味、秋は四万十栗味の餡の季節限定品を心待ちにするファンも多い。県内7店舗の直営店をもつ青柳の「土左日記」は駅や空港、道の駅などで購入可能。紀貫之の足跡に想いを馳せながら、高知銘菓を楽しみたい。