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ふるさとの銘菓

    第37回 ぶどう饅頭(徳島県美馬市)

    2016/07/23

     ぶどうとは「武道」。大正3年、日之出本店の初代・西川芳太郎が武道の上達祈願で訪れる人が多い剣山の参拝土産として創製した。由来は硬派だが、「武道」に因んで「ぶどう」を模したという見た目が何とも可愛らしい。
     厳選した白いんげん豆と吉野川の清らかな水で仕立てた餡に、小麦粉と馬鈴薯粉を薄くまぶして蒸しあげる。団子状なのに饅頭というのは、ごく薄い皮で包んであるから。皮の風味も楽しめ、餡の乾燥も防げるという。
     一口ほお張ると、ほのかなぶどうの香りとやさしい甘みが広がる。ミルクの風味がするのは当時珍しかった練乳を餡に練りこんでいるため。初代が某製菓会社の社長と親交があったことから、そこのミルクキャラメルをヒントに思いついたという。ハイカラな味とユニークな形はまたたくまに大ヒット。ほかにも「日之出幸運券」なる守り札を箱に入れるなど、思わず笑みがこぼれるアイデアが。「小さなお菓子で大きな笑顔」がモットーの同店。ふるさとと菓子への愛情が伝わる銘菓である。

    日之出本店 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL0883-52-1061 FAX0883-52-3222 
    徳島県美馬市穴吹町穴吹字岩手24-7 
    営業時間/8時~19時 
    定休日/無休
    ぶどう饅頭 6本入り(3本入り×2パック)540円
    http://www.budoumanju.com/