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ふるさとの銘菓

    第68回 三笠野(大分県竹田市)

    2020/02/29
    但馬屋老舗 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL0974-63-1811
    大分県竹田市竹田町40
    営業時間/8時~18時30分
    定休日/正月元旦ほか年数回 
    三笠野 6個入り 1,270円

      文化元年(1804)創業の但馬屋は、大分県で最も古い和菓子店。その代表銘菓が「三笠野」だ。岡藩十代藩主の中川久貴が、奈良の春日神社前で売られていた燧(ひうち)焼きという菓子を忘れられずに、初代但馬屋に作らせたのが始まり。菓銘は奈良の三笠山と春日野にちなんで名づけられた。
     小麦粉に砂糖、蜂蜜などを混ぜた生地を丸く焼き、ご当地、竹田の名水でじっくり炊いた自家製のこしあんを素早く包む。薄い皮で餡がたっぷりだが、なめらかな舌触りとすっきりした甘さで、軽やかな味わい。丁寧に練り上げる職人の技ならではの風味で、香ばしい皮と餡が口の中で調和し、飽きのこないおいしさだ。
     古い街並みに溶け込んだ風情ある店構え。時間によっては、店内で職人が一枚ずつ丁寧に焼く姿を見ることができるとか。焼きたてはパリっと、時間が経つにつれ、しっとりした食感に。皮が硬くなってきたら、オーブントースターなどの余熱で1~2分温めると、焼きたてのようなおいしさが楽しめる。