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ふるさとの銘菓

    第65回 元祖 秋田諸越(秋田県秋田市)

    2019/11/23
    杉山壽山堂 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL018-823-5185
    秋田市川尻町字大川反233-199 
    営業時間/8時~17時 
    定休日/無休(1/1㈷・2㈭休)
    元祖 秋田諸越 12枚入り 702円

     もろこしといってもとうもろこしではない。小豆粉と上白糖、和三盆糖で作る落雁の一種。「諸々の菓子を超えて美味である」と秋田藩主から賞賛されたのが名の由来という。今では多くの店で作られている諸越だが、元祖といわれるのが杉山壽山堂だ。創業は宝永2(1705)年。初代が秋田地方特産の小豆粉を使って考案した。原料の混ぜ合わせから型打ち、乾燥、下焼きまで、当時から製法を変えず、元祖の味を伝承している。
     大きさは約4㎝四方。表面には屋号の一文字が型押しされている。小豆の粉で裏の面だけを焼くので、色合いが淡く趣がある。歯をたてると堅く締まっているが、口の中でさらりと溶けていく。小豆の風味とまろやかな甘みが広がり、上品な味わいだ。
     他に表面を焼いた香ばしい諸越や、秋田の風土を表すいろいろな型と味が楽しめる小粒諸越などもある。お土産のほか、県外に住む秋田出身者が懐かしんで注文することも多いという。郷土が誇る銘菓である。