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ふるさとの銘菓

    第39回 磯部煎餅(群馬県安中市)

    2016/10/22

     温泉記号発祥の地といわれ、江戸時代初期には幕府の地図に記号が記されていたという磯部温泉。その鉱泉水に小麦粉と砂糖を加えて練り、薄く焼き上げたのが上州名物、磯部煎餅だ。サクサクとした軽い歯触りが特徴で、口に入れるとふわっと溶けてしまう。日本有数の含有率を誇る温泉の炭酸成分が独特の食感を生むのだという。煎餅といっても米ではなく小麦粉を使うのは、古くから小麦栽培が盛んで粉食文化が根づいているからだろう。
     明治初年に誕生して以来、多くの店が手がけているが、松風堂は昔ながらの手焼きを守る一軒。伝統の味を大切にしたいと、国内産の小麦や砂糖、菜種油などを厳選。保存料や添加物などは使わない。生地を型に流し入れ、火加減を見ながら表裏と返して職人が丁寧に焼き上げる。
     香ばしい風味とほんのりした甘さが、なんとも素朴で懐かしい。安心で飽きのこない味は老若男女を問わず、幅広く愛されている。定番のプレーン味のほか、ゴマ入り、青のり入りも好評。

    松風堂 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL027-385-7023 FAX027-385-7023 
    群馬県安中市磯部1-13-5 
    営業時間/8時〜19時 
    定休日/火曜
    磯部煎餅 箱入り 12袋800円 18袋1,200円  24袋1,600円 ※1袋2枚入り