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ふるさとの銘菓

    第8回 夏蜜柑丸漬(山口県萩市)

    2015/03/06

     箱を開けると、砂糖をまとった夏みかんが丸ごとゴロリ。中には白羊羹が詰まっている。萩の特産、夏みかんを使った菓子は数々あるが、見た目のインパクトと味のよさで群を抜く逸品だ。

     作っているのは安政5(1858)年創業の光國本店。大正5年の創製以来、伝統の製法を守り続けている。

     まずは無傷の夏みかんの表面を1ミリほど削り、中身をくり抜いたあとアク抜きし、糖蜜で煮る。そこに夏みかんの風味の白羊羹を流し込み、固まったらグラニュー糖をまぶして乾かす。アク抜きだけで2日間。完成までに5日を要する。すべて手作業のため1日100個の限定だ。傷つけないよう実のくり抜きに一番気を遣うという。糖蜜は代々継ぎ足して使っているため独特の旨みを醸しだす。

     砂糖のシャリっとした歯触りとともに、夏みかんの皮のほのかな苦み、羊羹の上品な甘みが一体となって口中に広がる。今の時季は冷やすとさらにおいしい。日本茶はもちろん、コーヒー、紅茶、洋酒にもよく合う。


    光國本店
    0838-22-0239
    山口県萩市熊谷町41
    営業時間/9時~18時
    定休日/不定休
    夏蜜柑丸漬 1個入り1,155円