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ふるさとの銘菓

    第1回 塩味饅頭 (兵庫県・赤穂市 )

    2015/03/06

     ここ数年の塩ブームで、人気を集める塩スイーツ。そんな流行とは関係なく、150年にも渡り、塩の魅力を生かしたお菓子として愛されているのが「塩味饅頭」である。

     誕生は嘉永6(1853)年。時の店主・治三郎が、赤穂の海に沈む夕日に感銘。その情景を、餡に赤穂名産の塩を混ぜて作ったのが始まりという。当初は 「汐見まん志う」といったが、その後、塩味饅頭と改名した。

     小ぶりで、真っ白な姿は清楚。白砂糖と寒梅粉を混ぜたもの。口に入れると、きめ細かい皮と餡がしっとりとなじみ、塩で抑えた独特の甘みが広がる。塩味がしっかり利いているのだが、くどくなく、切れ味のいいすっきりした味わいだ。

     餡と塩の割合は創製当時から変わらない。代々、店主から店主へと口伝えで受け継がれているのだという。
    「昔ながらの味を守っていきたい」と六代目のご主人。塩の歴史と共に歩んだ、正々堂々としたおいしさである。


    元祖 播磨屋
    0791-42-2300
    兵庫県赤穂市尾崎222
    営業時間/8時〜19時
    定休日/無休
    塩味饅頭 10個入り(白6・抹茶入り4) 840円