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ふるさとの銘菓

    第40回 彩紋(島根県松江市)

    2016/12/15

     水の都として知られる城下町、松江。特に宍道湖の夕日は、時とともにさまざまな表情を見せる絶景として「日本夕日百選」に選定されている。そんな自然の美を和菓子に託したのが、「彩紋」だ。明治7年(1874)創業の彩雲堂が、四季を通して変幻自在に彩られる光の束をイメージして、20年ほど前に創製したという。
     細身のスティックタイプの斬新なデザイン。紫と黄の色合いが華やかだ。うずら豆と手亡豆で作ったしっとりした餡を柔らかな求肥で挟んでいる。長さは9センチほど。一口噛むと、求肥と餡のバランスがよく、ほどよい柔らかさと品のいい甘みが口中で一体となる。紫は香ばしい白ゴマがアクセント。黄色は爽やかな柚子の香りが漂う。求肥と餡の硬さを合わせるのに気を遣うというが、老舗ならではの伝承の技とセンスが見事に融合している。煎茶や抹茶はもちろん、紅茶、コーヒー、ブランデー、ウイスキーとも合うので、若い人からご年配まで幅広く人気がある。可愛らしい絵柄の箱も印象的。

    彩雲堂 本店 
    ご注文・問い合わせ 
    TEL0120-212-727(10時~17時)
    島根県松江市天神町124 
    営業時間/9時〜18時 
    定休日/無休
    彩紋 1箱756円