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ふるさとの銘菓

    第34回 松露饅頭(佐賀県唐津市)

    2016/04/07
     コロンとしたまん丸の形が可愛いらしい。松露とは日本三大松原の一つである唐津の「虹の松原」に自生するキノコの一種。嘉永3年(1850)創業の大原老舗の先祖、阿わび屋惣兵衛が、高麗から伝来した焼き饅頭をアレンジ。藩主に献上したところ、形が似ていることから命名された。
     餡は北海道産の小豆を使用。餡を包むカステラ生地は小麦粉、砂糖と鶏卵のみを使い、保存料、着色料は一切使わない。この生地を銅板のくぼみに流し込んでから丸めた餡を入れ、職人が少しずつ生地を足しながら針で回転させて焼きあげる。1回でできるのは20個。皮を薄く、均等に焼くのが難しいのだという。5分程度を目安に、クルクルと生地を返していく素早い手さばきはまさに職人技。一日に作れる数は一人平均1000個ほど。薄い生地の中にはきめ細かなこし餡がぎっしり。皮のしっとり感と餡の上品な甘みが溶け合ったまろやかな味わいだ。小さく食べやすいのもうれしい。子どもからお年寄りまで、幅広く愛され続けている。

    大原老舗 唐津本店 
    ご注文・問い合わせ(和多田店) 
    0955-73-3185 FAX 0955-73-3183
    佐賀県唐津市本町1513-17
    営業/8時30分~19時 
    定休日/無休 
    松露饅頭 10個入り972円
    http://www.oohara.co.jp/