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ふるさとの銘菓

    第98回 雪月花(大分県大分市)

    2026/01/01
    古後老舗 
    ご注文・問い合わせ
    TEL 097-532-5733
    大分県大分市千代町3-1-10

     さわやかで香り高いユズは冬の風物詩。九州のユズ生産量トップを誇る大分で、150年以上菓子を作り続けているのが古後老舗だ。創業は慶應年間。初代古後精策が詩歌や茶道の席に出す菓子として最初に作ったのが「甘露柚煉(ゆねり)」だ。ユズの皮の内わたを取り出し砂糖で煮詰めたものだが、これを裏漉しして滑らかにし、米粉で作ったうす皮で挟んだ「雪月花」を考案したところ、茶人や通人に絶賛され、現在に至る。
     たわわになった実が黄色く熟した11月中旬、数万個のユズを使って作業が始まる。「皮の水分量は毎年違うので、注意深く様子を見ながら砂糖の量を調整しています」と話すのは伝統の味を守り続ける5代目当主の古後精司さん。口に入れると、うす皮に包まれた甘酸っぱいユズがやさしく広がり、上品な香りが後をひく。日本茶はもちろん、香りの高い紅茶やハーブティーと合わせれば新しい楽しみ方もできそうだ。冬の雪、春の花、秋の月をイメージした三色の淡いうす皮に心和ませながら、季節の味を堪能したい。