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藤田優一君の街角ワンショット

    vol.9 涼しい水辺、緑のトンネル。 「二ヶ領用水路」で歴史散策

    2012/07/01
    • matikado_9
      住宅地の中を流れる「二ヶ領用水路」。生活用水として暮らしに溶け込んでいた往時をしのびながら散策したい。

      梅雨明けが気になる時期。皆さんいかがお過ごしですか?湿度が高くジメジメ感が強いのがダメなフジタです。しかも洗濯物が乾かない。洗濯好き(笑)としてはパリッと衣類が乾かないので早く過ぎ去ってほしいシーズンでもあります。でも夏はすぐそこ。皆さんは夏休みのスケジュールなど決まっていますか?ワタクシはレポーターをしているので、なかなかまとまった休みがとれないのですが、それでも少しは夏気分を味わいたい!ということで、今回は暑い夏に向けて涼やかな通りをご紹介。どこかというと……。


     二ヶ領用水路です。川崎を代表する県内で最も古い人工用水路の一つ。水源は川崎と東京の境を流れる多摩川で、JR南武線と平行するように多摩区から幸区までの距離を流れています。もともとは水田開発のために造られた水路で、川崎領と稲毛領の二つの「領」にまたがって流れたことから「二ヶ領用水」と名付けられたんだとか。ちなみに測量が始まったのは関ヶ原の戦いの3年前。完成したのはなんと!測量開始から14年後の1611年。長い年月をかけて完成したんです。


     用水路の恩恵を受けた地域は農村として発展し、そこで収穫された米は江戸ではすし飯として大人気になり、野菜を洗い、お米をとぐなど周辺住民の生活になくてはならない用水路になったそうです。


     そんな二ヶ領用水路、現在もかれることなく水が流れていますがその役目は変わり、今は川崎の歴史を知る場、市民の憩いの場になっています。市内屈指の花の名所として知られ、JR南武線宿河原駅の辺りは約2キロにわたって約450本ものソメイヨシノなどの桜並木になっています。春先は桜色のトンネル。その後は新緑のトンネルと季節で変化を見せる通りになっています。そしてこれからの夏は涼しさを感じるスポットにもなるんです。強い日差しは桜の葉によって木漏れ日となり、水辺に吹く風は涼しく天然のクーラーのよう。節電をより強く心がけるシーズンにもなっていくので、こんな場所を歩いて先人の功績に思いをはせつつ涼むというのも良いかもしれませんね。

    文・写真 街角レポーター 藤田優一
    1年365日行脚(あんぎゃ)している、はぁ〜いフジタでェ〜す!!地元神奈川のことならなんでもお任せ!明るく元気なのが一番の取り柄です。街で見かけたら是非声をかけてくださいね〜♪